「人は菌に守られ、菌に駆逐される」｜京都の人参屋さん｜granja rural

おはようございます。

 

野菜作りで学んだことは、小動物や微生物、菌などの土壌生物の存在の重要性についてです。

土壌生物が地域やその土地にあった種類を年月をかけて定着し自然を守っています。

 

野菜は人の手によって育てられるためその土地にとっては外来生物といえるかもしれません。

私たちが固定種から自家採取をしようとするのもこの土地の土壌生物層を崩さないためです。

 

 

「人は菌に守られ、菌に駆逐される」

 

とおおげさに言っていますが、２５年以上医療に携わっていると間違ってはいないと実感します。

 

病院では常に細菌やウィルスなどの菌との戦いです。

どうやって菌を消毒、死滅（滅菌）させるのか、消毒剤、機器、管理体制に多額の費用と労力を投資します。

菌が１００％コントロールできれば医療は大きく進歩します。

 

さて、人が誕生したときに菌はどのようになるでしょうか

人は生まれた時に母体から最初の菌（乳酸菌など）を授かります。

生まれたばかりの赤ちゃんは無防備なため、母から与えられた菌によって外敵から守られています。

母体の常在菌の状態が大切ということになります。

 

 

母体の常在菌が赤ちゃんに伝搬していくため、より良い菌を形成するには

お母さんの普段の食事、睡眠などの日常生活が重要なカギを握っています。

 

医学的に口から食道、胃、腸、肛門という一連の管は外気と触れるため、体の外という扱いになります。

外気と触れるということは基本は不潔と言われます。

 

 

 

不潔だからすぐに病気を発症するということではなく

外気などに含まれる菌などに体が接触することで、

それぞれの菌に対する防御能を高める必要な働きにもなります。

 

普通の生活をしていれば菌が人を攻撃することはないと思いますが、

睡眠不足、不摂生、自然界には無いものを常用したりと心身に負荷をかけ続ければ

弱い菌などに攻撃されることがあります。

 

 

数年前に拡散したCOVIT-19（新型コロナウィルス）に対する感染対策として

アルコール消毒やその他除菌の意識づけが人々に定着しました。

この消毒は必要以上に実施すれば、せっかく身につけた常在菌を減らす機会を作ります。

 

 

常在菌が他の菌が入らないように隙間なく存在していれば、

危険な菌が侵入しようとしても入る余地をなくし守ってくれます。

消毒によって常在菌が減少すれば、他の菌が住みやすい環境作り身体を脅かす可能性が出てきます。

運悪く血管内に菌が侵入し勢いよく増殖すると各種臓器を攻撃することがあります。

これはとても怖い現象です。場合によっては人を死に至らしめます。

 

 

実は野菜作りに行う土づくりも同様のことが起こります。

畑を耕す際に家畜糞やその他有機肥料を多量に混入すると、

その土地にはなかった微生物や菌が増殖していきます。

 

そして、その土壌を好む雑草へと移り変わります。

この変化が良いのか悪いのかは難しいですが、畑だけ違う土壌が構成されることになります。

 

土壌が常在菌の均衡を保てなくなれば、その土には新たな菌が引っ越してくることになります。

仲良くする菌であれば良いのですが、運悪く一人よががりの菌であれば野菜が病気をしたり

成長を阻害することがあります。

 

「人と畑は菌に守られていること」

 

を医療、農業を通じて学びました。